「地域猫活動」について考える(12)  個体の管理

「地域猫活動」を実施する際に、猫を個体ごとに管理する「猫台帳」を作成するとよいというお話をしましたが、具体的にどのようなものを作成すればよいか、米国のTNR推進団体Alley Cat AlliesのWebページ(https://www.alleycat.org/community-cat-care/recordkeeping/)を参考に見ていきましょう。

 

個体の管理

Alley Cat Alliesの“Community Cat Colony Tracking System”は、コロニーの管理と猫の個体管理の2本立てです。個体管理は個体ごとに必要な情報を記載した一覧表、いわば「猫台帳」で管理します。そこに記載する情報は次のとおりです。

 

IDナンバーおよび名前

猫の個体管理を行う際には、まずそれぞれの猫にIDナンバーと名前を付ける必要があります。

 

色や模様

「黒」「黒白」「茶トラ」「キジ白」など、猫の色や模様を記載します。「ハチワレ」など特徴的な柄についても極力記入します。

 

被毛の長さ

「長毛」「中毛(体の一部だけ長い)」「短毛」「無毛」のいずれかを記載します。

 

年齢

おおまかな年齢(子猫の場合は週齢)を記載します。

 

避妊去勢手術

避妊去勢手術のために捕獲した年月日、捕獲者、手術の種類(避妊か去勢か)、耳カットの有無について記載します。

 

その他の獣医療

ワクチン接種の有無とその種類、駆虫の有無と薬剤の種類、マイクロチップ装着の有無とあればIDナンバーを記載します。

 

結果

手術後に猫が迎えた結果について記載します。具体的には「リターン」「譲渡(または里親)」「安楽殺」「その他」のいずれかになります。

 

健康状態についての特記事項

「FIV陽性」など、特記事項があれば記載します。

 

猫の写真

猫の写真をIDと紐づけて、紙やデータで保管します。その作業が完了したら、台帳にチェックを入れます。