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猫の個体識別(2)  性別と被毛の特徴

地域猫の個体管理のためには、個体識別が欠かせません。米国のTNR推進団体Alley Cat Alliesによる猫の個体識別ガイド“A Visual Guide to Identifying Cats”※を参考に、猫の個体識別について見ています。

 

性別

外見で判別できるのは「メス」「去勢オス」「未処置(intact)オス」です。メスの避妊状況については、外見ではわかりません。肛門と生殖孔との距離が短い(1/2インチ=1.3cm以内)のがメスです。肛門と生殖孔との距離が1インチ(2.5cm)以上がオスで、陰嚢が目立つか否かで去勢の状況を判断します。

 

被毛の特徴

被毛の特徴は、Coat Length(被毛の長さ)、およびCoat Colors(被毛の色)とCoat Patterns(被毛の模様)を組み合わせて表現します。

 

被毛の長さ

被毛の長さはLonghair(長毛)、Medium hair(中毛)、Shorthair(短毛)、Hairless(無毛)の4段階で表現されます。

 

Longhair(長毛):長くふわふわとした被毛を持っています。

Medium hair(中毛):たてがみ、尾、おしりの毛が長い猫を指します。

Shorthair(短毛):全身の毛が短い猫です。

Hairless(無毛):毛がない猫のことです。

 

被毛の基本色

単色以外の猫は、基本色+模様で表現されます。猫の基本色はBlack(黒)、Gray(灰)、White(白)、Buff(薄茶)、Brown(こげ茶)、Orange/Red(茶)の6色です。米国と日本では色の感覚が少し違うようです。

単色の猫はずばりその色で表現します。例えば黒、灰、白、薄茶といった具合です。英語では単色であることを強調した、例えば“Solid Black”(真っ黒)といった表現を用いることもあります。こげ茶や茶の単色の猫は珍しく、多くはトラ柄(Tabby)のベースの色になります。また単色ではないですが、黒+茶はTortoiseshell(べっ甲:いわゆる「サビ」)、茶+黒+白はCalico(三毛)と呼ばれます。

 

被毛の模様

被毛の模様にはBicolor(2色)、Pointed(ポインテッド)、Shaded(シェ―デッド)、Tabby(縞模様:日本でいう「トラ」)があります。TabbyにはClassic(大理石様文様)、Mackerel(サバ様文様)、Ticked(細い縞模様)、Spotted(斑紋)の4類型があります。「キジトラ」は一般的に“Brown Tabby”と呼ばれますが、丁寧に言えば、“Brown Mackerel Tabby”や“Brown Ticked Tabby”と表現されます。 

 

※ https://www.alleycat.org/resources/cat-identification-guide/