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猫の個体識別(3)  被毛の模様

地域猫の個体管理のためには、個体識別が欠かせません。米国のTNR推進団体Alley Cat Alliesによる猫の個体識別ガイド“A Visual Guide to Identifying Cats”※を参考に、猫の個体識別について見ています。

 

被毛の模様

基本的な猫の模様にはBicolor、Pointed、Shaded、Tabbyの4種類があることは前回述べました。それぞれについて、もう少し詳しく見ていきましょう。

 

Bicolor

白とその他の色(または模様)の組み合わせです。白の方が広い場合と、白の方が狭い場合には表現が異なります。例えば白地に黒の場合は“White and Black”(白黒)、黒地に白の場合は“Black and White”(黒白)になります。このルールは英語も日本語も同じです。また例外的に「黒茶」や「茶黒」はTortoiseshell(サビ)と表現しますが、日本では黒茶を「黒サビ」、茶黒を「赤サビ」と呼ぶこともあります。

白と模様の組み合わせもあります。例えば部分的に白いキジトラは“Brown Tabby and White”と(キジ白)と表現されます。また英語で三毛は一般的にCalicoと呼ばれますが、“Tortoiseshell and White”という表現もあります。余談ですが“Tricolor”(三色)というのはありません(それは「三毛」ですね)。

 

Pointed

身体全体が明色(多くは白)ですが、顔や耳、足先など、部分的に暗色(多くは黒)が入っている猫をいいます。

 

Shaded

被毛の根元が白く、毛先に向かって暗くなっています。特に長毛の猫にみられます。

 

Tabby

「ブチ」や「トラ」といった模様を指します。よく用いられる表現としては

 

Brown Tabby(キジトラ)

Silver Tabby(サバトラ)

Orange/Red Tabby(茶トラ)

 

があります。なおTabbyという単語はTomcat(オス猫)に対する「メス猫」という意味でも用いられます。Tabbyには次の4種類があります。

 

Classic:渦を巻いている、大理石様の模様です。

Mackerel:魚の「サバ」のことで、サバのような縞模様をいいます。ただし、いわゆる「サバトラ」のみを指すわけではありません。

Ticked:細い縞模様を指します。

Spotted:ヒョウ柄のような斑点を指します。

 

※ https://www.alleycat.org/resources/cat-identification-guide/