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野良猫のコロニー防災について考える(1) コロニー防災の基礎

野良猫のTNR(野良猫を捕獲して避妊去勢手術ののちに捕獲場所に戻す)を実施した後には、その猫のコロニーを管理する必要があります。野良猫のコロニーの管理方法については様々なリソースがありますが、コロニーが災害に遭った際の対応については意外に情報がないものです。そこで米国のTNR推進団体Alley Cat Alliesのホームページ“Quick Tips to Disaster-Proof A Community Cat Colony”(野良猫のコロニーを災害から守るための簡単なヒント)※から、野良猫のコロニーの防災について見ていきましょう。

 

野良猫のコロニー防災の基本

災害時にはペットと一緒に避難行動をとる、いわゆる「同行避難」が推奨されますが、野良猫の場合はそうはいきません。Alley Cat Alliesはこういいます。

 

If you ever need to evacuate your home, always plan to bring your pets along with you. But for community cats, evacuating with them is not feasible or recommended. These cats have powerful survival instincts during disaster situations, and the best way to help them is to provide support around those instincts and plan ahead to keep track of them.

家から避難する必要がある場合は、必ずペットと同行避難するよう計画してください。しかし野良猫の場合、同行避難は不可能であり、推奨されません。これらの猫は災害時に強力な生存本能を持っており、猫を助ける最善の方法は、その本能に沿ったサポートを提供し、猫を追跡するための事前の計画を立てることです。

 

つまり野良猫は被災地に置いたままということになりますが、せめて世話人ができることは「猫が生き残ること」および「元の場所に戻ること」のサポートであるというわけです。

 

You can take steps to help a community cat colony survive a disaster. Here are a few things you can do that will give them a survival advantage:

野良猫のコロニーが災害から生き残れるよう支援するための措置を講じることができます。彼らが生き残るためにできることをいくつか紹介します。

 

Alley Cat Alliesが具体的に挙げているのは、以下のような事項です。

 

・事前の個体識別措置

・餌場やねぐらの位置の検討

・猫の逃げ場の確保

・餌場への連絡先の表示

・地元団体にコロニーの世話を依頼する

・アニマルシェルターや臨時シェルターに猫の情報を提供する

 

次回からはそれぞれについて詳しく見ていくことにしましょう。

 

※https://www.alleycat.org/resources/disaster-proofing-a-community-cat-colony/