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野良猫のコロニー防災について考える(3) 個体識別措置

TNR(野良猫を捕獲して避妊去勢手術ののちに捕獲場所に戻す)後の猫のコロニーを災害から守るためには、「猫が生き残ること」そして「元の場所に戻ること」へのサポートが必要です。米国のTNR推進団体Alley Cat Alliesのホームページ“Quick Tips to Disaster-Proof A Community Cat Colony”(野良猫のコロニーを災害から守るための簡単なヒント)※から、野良猫のコロニーの防災について見ています。

 

個体識別措置と写真撮影

Be sure all the cats are neutered and eartipped, and get a good photo of each cat. Keep the photos with the documentation for your pets, so you’ll have it all with you if you have to evacuate. This will help with identifying the cats, should they later be trapped by rescuers.

すべての猫が避妊去勢と耳カットが施されていることを確認し、それぞれの猫の写真をしっかり撮ってください。ペットの写真を記録と一緒に保管しておくと、避難する必要があるときにすべてを持ち歩くことができます。これは、後で猫が救助者によって保護された場合に、猫を識別するのに役立ちます。

 

【のらぬこの補足】

ペットのしつけや健康管理、避妊去勢手術や個体識別措置といった通常の飼養管理が実施されていれば、それがそのままペットの防災対策にもなります。管理されている野良猫についても同様で、日常から適切な管理が実施されていれば、災害対策の第一段階は自動的にクリアします。野良猫の「適切な管理」とはどういうことかというと、

 

・避妊去勢手術および耳カット(手術時に行うワクチン接種や駆虫を含む)

・個体識別

・目視による一般的な健康管理

・新参猫の把握と避妊去勢処置

 

これらを確実に実施することにより、野良猫の野外繁殖を防止するとともに、災害時の生存可能性を高め、将来的に猫たちが元の場所に戻る可能性を高めます。

なお野良猫のコロニー管理の際には、色や模様、マイクロチップなどにより野良猫の個体識別を行い、それぞれの猫にID番号を付与し写真付きの「猫台帳」を作成することが望ましいとされていますが、避難時に「猫台帳」を所持していれば、猫たちの所在を確認する際に非常に便利です。特にアニマルシェルターや災害時の臨時シェルターなどに収容された猫の中から自分が世話をしていた猫を探す際に、写真があるとないとではずいぶん違います。

 

※https://www.alleycat.org/resources/disaster-proofing-a-community-cat-colony/