Campbellら(2024)の“Impact of early socialisation in foster care on kitten behaviour”(預かりボランティアによる早期社会化が子猫の行動に与える影響)(https://doi.org/10.1016/j.applanim.2024.106306)から、幼齢子猫の早期社会化について見ています。
結果
預かりボランティアの状況
調査の結果、223人の預かりボランティアから598件のアンケート回答がありました。平均すると、一人の預かりボランティアが3頭の子猫の世話をしていたことになります。63人(28.3%)の預かりボランティアが子猫を人工乳で育てていて(つまり離乳前個体の世話をしていた)、飼育頭数は1~9頭、平均で3頭でした。25人(11.2%)の預かりボランティアが母猫のいる子猫を世話していました。
子猫の性別
子猫のうち、メスは287頭 (48.0 %)、オスは311頭(52.0 %)でした。
子猫の品種
子猫のほとんどは野良猫 (488頭、81.6 %) で、短毛種または中毛種 (595頭、99.5 %) でした。
子猫の転帰
子猫の99.2 % (593頭) が避妊去勢手術が可能な週齢に到達したのちに預かりボランティアからシェルターに戻され、譲渡されました。残り5頭のうち4頭は途中で死亡(いずれも離乳前の子猫)し、1頭は預かりボランティアの元から逸走しました。
預かりケアの日数
受け入れ時体重が記録されている子猫は393頭で、その範囲は110g~2.3kgでした。ただし今回の研究では受け入れ時に体重が1kgを超えている子猫は調査対象外とされたので、対象となった子猫は302頭で、その体重は110g~1kg(中央値:516g)でした。したがって、子猫が預かりボランティアに預けられた際には、子猫の週齢は1~9週齢(平均4.6週齢)であったと推定されます。子猫は2~185日間里親のもとで過ごし、その平均は47日でした。
子猫の頭数
預かりボランティアに単独で預けられた子猫は75頭(12.5%)にとどまり、ほとんどの子猫は1頭(208頭、34.8%)または2頭(172頭、28.8%)のほかの子猫と一緒にに預けられました。3頭(62頭、10.4%)、4頭(57頭、9.5%)、それ以上(24頭、4.0%)の他の子猫と一緒に預けられた子猫もいました。
子猫の状況
80頭の子猫は母猫と一緒に世話をされ、180頭の子猫は離乳前で、人工乳で育てられました。人工乳で育てられた子猫のうち、シングルトン(同腹仔なしで単独で保護された子猫)は4頭だけでした。