Campbellら(2024)の“Impact of early socialisation in foster care on kitten behaviour”(預かりボランティアによる早期社会化が子猫の行動に与える影響)(https://doi.org/10.1016/j.applanim.2024.106306)から、幼齢子猫の早期社会化について見ています。
結果<続き>
飼育場所
預かりボランティアに預けられた子猫のほとんど(432頭、73.59%)が、家庭内の「交流エリア」で飼育されていました。その内訳は「屋内で放し飼い」が217頭(36.97%)、「リビングで放し飼い」が139頭(23.68%)、「リビングでクレートやその他の囲いに入れて飼育」が55頭(9.37%)、「その他(幼い頃は囲いに入れ、その後屋内で放し飼いなど)」が21頭(3.58%)でした。「非交流エリア」で飼育されていた子猫は155頭(26.41%)で、その内訳は「予備の部屋」が133頭(22.66%)、「その他(浴室、洗濯室、ガレージなど)」が22頭(3.75%)でした。
単独で過ごす時間
半数以上(307頭、53.2%)の子猫は常に人間や同腹仔がそばにいて、単独で過ごすことは全くありませんでした。115頭(19.9%)の子猫は少し、102頭(17.7%)はある程度、42頭(7.3%)はかなり単独で過ごし、11頭(1.9%)の子猫だけがほとんどの時間を単独で過ごしました。
飼育場所の騒音レベル
子猫が預かりボランティアのもとにいる間の家庭の騒音レベルは、「おおむね静か」が221頭(37.0%)、「普通の生活音」が333頭(55.7 %)、「騒々しい」が36頭(6.0 %)、「非常に騒々しい」が8頭(1.3 %) でした。
子猫と成人との触れ合い
預かりボランティア宅で日常的に子猫と触れ合っていた成人の数は、0人が8頭(1.3 %)、1人が145頭(24.3 %)、2人が312頭(52.4 %)、3人が77頭(12.9 %)、4人が27頭(4.5 %)、4人以上が27頭(4.5 %)でした。
子猫と子供との触れ合い
約半数(308頭、51.5 %)の子猫は、預かりボランティアに預けられている間に子供と触れ合っていませんでした。108頭の子猫が「ときどき(infrequent)」、67頭の子猫が「頻繁に(frequent)」、115頭の子猫が「いつも(continual)」子供と触れ合っていました。子猫と子供との触れ合いは59.0 %が「穏やかな接触(gentle)」、78.3 %が「遊び(playful)」、40.0 %が「世話をする(caring)」と回答されましたが、「粗暴(rough)」(3.5 %)、「無関心(children showed no interest)」(3.5 %)という回答もありました。
子猫の健康上の懸念
預かりボランティアによって健康上の理由が報告された子猫は185頭(31.0%)でした。そのうち155頭は医学的な懸念、30頭は行動上の懸念でした。多くの子猫(411頭、69.0%) は、預かりボランティアから懸念が報告されませんでした。また15頭の子猫が、皮膚糸状菌症の治療を受けました。