Campbellら(2024)の“Impact of early socialisation in foster care on kitten behaviour”(預かりボランティアによる早期社会化が子猫の行動に与える影響)(https://doi.org/10.1016/j.applanim.2024.106306)から、幼齢子猫の早期社会化について見ています。
結果<続き>
多変量解析<続き>
子供との接触
預かりボランティア宅で子供とまったく接触しなかった子猫については、次のような傾向がみられました。
「子供と時々接触した」子猫との比較
・「世話人が部屋に入ってきたとき」に「好ましくない反応」を示す確率が3.6倍でした。つまり子供と時々接触している方が、接触なしよりも世話人に対する反応が良いようです。
・「新しい人」に対して「好ましくない」反応を示す確率が1.2倍でした。子供と時々接触している方が、接触なしよりも見知らぬ人への反応が良いようです。
・「遊び」の際に「好ましくない」反応を示す確率が4.0倍でした。子供と時々接触している方が、接触なしよりも遊びに対して肯定的になるようです。
「子供と頻繁に接触した」子猫との比較
・「世話人が部屋に入ってきたとき」に「好ましい反応」を示す確率が2.1倍でした。子供と頻繁に接触しているよりも、接触なしの方が世話人に対する反応が良いようです。
・「新しい人」に対して「好ましい反応」を示す確率が2.6倍でした。子供と頻繁に接触しているよりも、接触なしの方が見知らぬ人への反応が良いようです。
・「遊び」の際に「好ましい反応」を示す確率が3.5倍でした。子供と頻繁に接触しているよりも、接触なしの方が遊びに対して肯定的になるようです。
「子供といつも接触していた」子猫との比較
・「世話人が部屋に入ってきたとき」に「好ましくない反応」を示す確率が3.7倍でした。子供と常に接触している方が、接触なしよりも世話人に対する反応が良いようです。
・「新しい人」に対して「好ましくない反応」を示す確率が1.6倍でした。子供と常に接触している方が、接触なしよりも見知らぬ人への反応が良いようです。
・「遊び」の際に「好ましくない反応」を示す確率が4.4倍でした。子供と常に接触している方が、接触なしよりも遊びに対して肯定的になるようです。
この結果だけを見ると、子猫を子供と接触させることが好ましいように見えますが、その頻度については加減が必要なようです。