猫の預かりボランティアガイド(4) 要件と考慮事項 その3

アニマルシェルターに収容すべき猫を自宅で預かる、いわゆる「預かりボランティア」(Foster)について、ASPCA(米国動物虐待防止協会)の“Feline Foster Care Guide”(https://www.aspcapro.org/sites/default/files/aspcapro-feline-foster-care-guide.pdf)を参考に見ています。

 

要件と考慮事項<続き>

 

ディレクターとのコミュニケーション維持

預かりボランティアと契約しているシェルターには、ディレクター(監督者)と呼ばれる担当者がいます。ボランティアに預けていたとしても、動物はシェルターの管理下にありますから、ディレクターはボランティアと連絡を密にし、動物の管理を行っていきます。「ガイド」では“Maintain communication with the volunteer director”(ボランティアディレクターとのコミュニケーションを維持すること)とされています。

 

養育期間の専念義務

「ガイド」では“Commit to the entire foster period with the animal”(動物の預かり期間の全期間において「関与」すること)とされていますが、“Commit”の解釈が難しいので的確に訳せているかどうか自信がありません。おそらく「養育期間中は全期間においてその業務に注力すること」といった意味ではないかと思われます。

 

子猫とのふれあい

「ガイド」では“Try to spend a minimum of two hours per day with kittens to socialize themand monitor their health (time commitments will vary depending on your foster animals)”(子猫の社会化や健康状態の監視のために、1日2時間以上子猫と過ごすこと(必要時間は子猫によって異なる))とされています。特に子猫の場合、社会化の観点から家族との一定のふれあいが必要であることは多くの研究者によって報告されています。

 

先住ペットの健康管理

先住ペットがいる場合、その健康状態が良好でなければなりません。「ガイド」では“Existing animals in your home must be up-to-date on vaccines and in good health”(先住動物は、ワクチンについて最新で、かつ健康である必要がある)とされています。

 

家族の受け入れ態勢

「ガイド」では“Every family member in the household will need to be prepared for the commitment and emotions involved with fostering”(家族全員が、養育に伴う関与と感情に備える必要がある)とされていますが、要するに家族全員が動物の受入れに同意していて、協力的である必要があるということではないかと思われます。