アニマルシェルターに収容すべき猫を自宅で預かる、いわゆる「預かりボランティア」(Foster)について、ASPCA(米国動物虐待防止協会)の“Feline Foster Care Guide”(https://www.aspcapro.org/sites/default/files/aspcapro-feline-foster-care-guide.pdf)を参考に見ています。
Daily Care for Moms with Kittens(子猫のいる母猫の日々の世話)
預かりボランティアの元には、離乳前の子猫を抱えた母猫が来ることもあります。そういった場合の母子の世話について、「ガイド」から見ていきましょう。
親子の猫の世話の基本
母猫に任せるのが基本
親子にとって快適な環境を提供することが前提ですが、子猫の世話は母猫に任せるのが基本です。「ガイド」にはこう記載されています。
Most mothers, even first-timers, can take care of themselves and their offspring quite well. For the most part, you will leave mom and babies alone while observing for any signs of trouble.
ほとんどの母猫は初産であっても、自分と子供の世話をすることができる。ほとんどの場合、問題の兆候を観察しながら、母親と赤ちゃんをそのままにしておく。
離乳前の子猫を抱えた母猫をシェルターのような特殊環境に置いたり、シェルター内で出産したりした場合、母猫が子猫を食べてしまったり、育児放棄したりすることがあります。そのため、そのような親子の猫はボランティアに預ける方がよいとされています。もちろん様子を見ながらということにはなりますが、母子にとって快適な環境を提供することができれば、子猫の世話は母猫に任せても大丈夫です。
寝床(nest)をつくる
親子のための寝床をつくり、そこで飼うようにします。「ガイド」にはこう記載されています。
Provide a nesting box for nursing mothers so babies can’t get out but mom can when she needs some peace and quiet. Only half of the nesting box should have extra warmth added.
授乳中の母親に寝床を用意し子猫が出られないようにするが、平和と静けさが必要なときに母猫が外出できるようにしておく。寝床の半分の部分だけ保温しておく必要がある。
授乳中の母猫は子猫を置いて数時間外出することがありますが、これは猫の正常な行動です。外猫の場合、採餌のために獲物を探しに行く行動ですが、同時に子猫に「平和と静けさ」を与え睡眠を促す効果もあるといわれています。母猫の外出中に子猫が冷えてしまわないよう、寝床は保温しておく必要がありますが、熱すぎる場合に子猫が逃れられるよう、あえて保温しない部分を設けておくことが必要です。