猫の預かりボランティアガイド(16) 子猫のいる母猫の世話 その2

アニマルシェルターに収容すべき猫を自宅で預かる、いわゆる「預かりボランティア」(Foster)について、ASPCA(米国動物虐待防止協会)の“Feline Foster Care Guide”(https://www.aspcapro.org/sites/default/files/aspcapro-feline-foster-care-guide.pdf)を参考に見ています。

 

Daily Care for Moms with Kittens(子猫のいる母猫の日々の世話)<続き>

 

Young Kitten Care(幼齢子猫の世話)

当たり前ですが、幼齢子猫には適切な栄養と保温が必須です。平たく言えば、各子猫が母猫の乳首から母乳を摂取できている状態にする必要があります。「ガイド」にはこう記載されています。

 

A kitten’s survival depends on getting consistent nutrition and warmth. 

子猫の生存は、栄養と暖かさを一貫して得られることにかかっている。

 

初乳の重要性

新生仔には初乳を飲ませることが重要です。「ガイド」にはこう記載されています。

 

The mother’s colostrum, which is the first milk produced, is vitally important to a newborn’s cardiovascular system and defense against disease. 

最初に生産される乳である母親の初乳は、新生仔の循環器系と病気に対する防御にとって非常に重要である。

 

初乳といえば赤ちゃんを感染症から守る「移行抗体」がまず思い浮かびますが、その他初乳には「胎便(母親のおなかにいたときの便)の排出促進」「栄養補給」「腸内粘膜の保護」といった役割もあります。

 

授乳はできるだけ早く

生後間もない子猫の腸は、初乳に含まれている抗体や免疫細胞が吸収されやすいように「開いて」いますが、時間が経過するごとに「閉じて」いきます。「ガイド」にはこう記載されています。

 

Colostrum is rich in antibodies to help protect against various infections, but kittens can only absorb these antibodies and benefit from them for a short period after birth.

初乳にはさまざまな感染症から身を守るための抗体が豊富に含まれているが、子猫がこれらの抗体を吸収し、その恩恵を受けられるのは生後わずかな期間だけである。

 

そのため、子猫の出生後に速やかに初乳を飲ませる必要があります。

 

It is very important that newborns nurse as soon as possible after birth. If they do not find a nipple on their own, put their mouth close to one and hold them until they nurse.

新生仔は出生後できるだけ早く授乳することが非常に重要である。乳首が自分で見つからない場合は、口を乳首に近づけて、授乳するまで乳首を保持する。