猫の預かりボランティアガイド(18) 子猫のいる母猫の世話 その4

アニマルシェルターに収容すべき猫を自宅で預かる、いわゆる「預かりボランティア」(Foster)について、ASPCA(米国動物虐待防止協会)の“Feline Foster Care Guide”(https://www.aspcapro.org/sites/default/files/aspcapro-feline-foster-care-guide.pdf)を参考に見ています。

 

Daily Care for Moms with Kittens(子猫のいる母猫の日々の世話)<続き>

 

Problem Signs(問題の兆候)

正常な猫の新生仔は、ほとんどの時間を乳を吸っているか寝ているかのどちらかに費やしています。母猫がそばにいるにもかかわらず新生仔が鳴き続けているとしたら、それは異常です。「ガイド」にはこう記載されています。

 

During the first two weeks, kittens should spend approximately 90% of the time eating and sleeping. If kittens are crying during or after eating, they are usually becoming ill or are not getting adequate milk. 

最初の2週間は、子猫はおよそ90%の時間を食事と睡眠に費やすはずである。子猫が食事中や食後に鳴いている場合は、多くの場合病気にかかっているか、十分なミルクが得られていない状態である。

 

子猫がお腹がすいて鳴いているのであれば、母猫の空いている乳首をあてがうことになりますが、乳首の数が足りなかったり(特に同腹仔が5頭以上の場合)、その乳首から乳が分泌されていなかったりした場合には、人工乳で育てる必要があります。この手順については「ガイド」の次の項で示されています。しかし子猫が感染症による体調不良で鳴いていることもありますので、安直な判断は禁物です。俗に「子猫の進行性衰弱」と呼ばれているように、子猫の場合は症状が急速に進むことがありますので、少しでも怪しいと思ったら、獣医師の判断を仰ぐためにシェルターから示された「ホットライン」に速やかに連絡する必要があります「ガイド」にもこう記載されています。

 

A newborn kitten is very susceptible to infections and can die within 24 hours. If excessive crying occurs, the mother and entire litter should be examined by a veterinarian, so please call us immediately. 

生まれたばかりの子猫は感染症に非常にかかりやすく、24時間以内に死んでしまうこともある。過度に鳴く場合は、母猫と子猫全体を獣医師に診察してもらう必要があるため、すぐに連絡すること。

 

もし子猫が鳴いている原因が感染症であれば、他の同腹仔や母猫にも感染している可能性がありますから、該当する子猫だけではなく、すべての猫を診察する必要があります。