猫の預かりボランティアガイド(20) 子猫のいる母猫の世話 その6

アニマルシェルターに収容すべき猫を自宅で預かる、いわゆる「預かりボランティア」(Foster)について、ASPCA(米国動物虐待防止協会)の“Feline Foster Care Guide”(https://www.aspcapro.org/sites/default/files/aspcapro-feline-foster-care-guide.pdf)を参考に見ています。

 

Daily Care for Moms with Kittens(子猫のいる母猫の日々の世話)<続き>

 

Supplemental Feeding for Nursing Kittens with Mom(母猫がいる子猫への補助給餌)<続き>

 

置換給餌(replacement feeding)

子猫がまったく母乳を利用できない場合、子猫の食事を完全に置き換える必要があります。「ガイド」にはこう記載されています。

 

If the mother does not produce milk or her milk becomes infected, the kittens will cry excessively. If this occurs, the entire litter could die within 24 to 48 hours. Total replacement feeding, using the KMR, or adopting the kittens to another nursing mother, is usually necessary. 

母親の母乳が出なかったり、母乳が感染していたりすると、子猫は過剰に鳴く。これが発生した場合、同腹仔全体が24〜48時間以内に死亡する可能性がある。通常、KMR(人工乳)を使用する、または子猫を別の授乳中の母猫に預ける、完全な置換給餌が必要である。

 

代用乳の給与量

置換給餌の場合、母乳をそっくり代用乳に置き換えますので、表示量の全量を給与します。「ガイド」にはこう記載されています。

 

If replacement feeding is elected, the amounts of milk listed on the KMR container should be fed. 

置換給餌を選択した場合は、KMRの容器に記載されている量のミルクを給餌する必要がある。

 

代用乳の給与頻度

置換給餌の場合、数時間おきに子猫に代用乳を給与します。ただし子猫が眠っている場合、起こしてまで給与する必要はありません。「ガイド」にはこう記載されています。

 

Kittens less than two weeks of age should be fed every 3 to 4 hours. Kittens 2 to 4 weeks old do well with feedings every 4 to 6 hours. 

生後2週間未満の子猫には、3〜4時間ごとに給餌する必要がある。2〜4週齢の子猫は、4〜6時間ごとの給餌でよい。

 

Don’t feel like you have to wake them up to feed—if they’re full enough to sleep peacefully, let them rest until they wake up hungry.

給餌のために子猫を起こす必要はない。子猫が安眠できるほど満たされている場合は、空腹で目を覚ますまでそのまま休ませておくこと。

 

給餌中の注意

子猫に人工乳を与える際には、猫を仰向けにしてはいけません。「ガイド」はこう注意しています。

 

NOTE: Do not hold kittens on their backs like human babies or squeeze the bottle while feeding—this can cause kittens to aspirate the milk, choke and/or catch pneumonia.

注:子猫を人間の赤ちゃんのように仰向けで抱いたり、授乳中に哺乳瓶を絞ったりしないこと。これは、子猫がミルクを誤嚥したり、窒息したり、肺炎を起こしたりする原因となる。