猫の預かりボランティアガイド(31) 単独の子猫の世話 その11

アニマルシェルターに収容すべき猫を自宅で預かる、いわゆる「預かりボランティア」(Foster)について、ASPCA(米国動物虐待防止協会)の“Feline Foster Care Guide”(https://www.aspcapro.org/sites/default/files/aspcapro-feline-foster-care-guide.pdf)を参考に見ています。

 

Daily Care for Kittens Eating on their Own (5-8+ weeks)

自分で食べる子猫の毎日のケア(5〜8週間以上)

 

子猫への給餌

離乳後の子猫には、ドライフードと猫缶を併用して与えます。「ガイド」にはこう記載されています。

 

Kittens who are eating completely on their own will need to be fed wet food about three times throughout the day. They should always have dry food and water available.

完全に自力で食べられるようになった子猫には、1日のうち3回ほど猫缶を与える必要がある。彼らは常にドライフードと水を利用できるようにする必要がある。

 

この記述だけではよくわからないと思いますので、補足します。猫への給餌方法には次の2種類があります。

 

自由採食…ドライフードを一定量設置し、猫が好きな時に好きなだけ食べられるようにする

定期給餌…ドライフードまたは猫缶を1日数回、決まった時刻に与える

 

猫は本来、少しずつ何回も食事をとる動物です。ですので、猫が食べたいときに食べたいだけ食べることができる自由採食は理にかなっています。しかしこの方法では腐敗しやすい猫缶を与えることができません。そのため、アニマルシェルターではドライフードの自由採食を基本としながら、1日1~数回猫缶を与えることが一般的です。そのメリットとして、

 

・子猫や授乳中の母猫などに対して、細やかな栄養管理を行うことができる

・決まった時刻に給餌することで、猫と世話人との絆を深めることができる

 

といったことがあげられます。

自由採食と定期給餌の両方を行う、いわゆる「併用型」の給餌の際には、ドライフードの自由採食に加えて猫缶を1日1回与えることが一般的ですが、「ガイド」では子猫に対して一度に多くの猫缶を与えず、1日3回に分けて与えることが推奨されています。

 

トイレの掃除と社会化

離乳後の子猫はトイレで用を足しますので、トイレの掃除を行います。また子猫の社会化も重要ですが、詳細は次の項で述べられています。「ガイド」にはこう記載されています。

 

Don’t forget to clean their litter box at least once day (and focus on and enjoy this socialization period!).

少なくとも1日1回はトイレを掃除することを忘れないこと(そしてこの社会化期に集中して楽しんでください!)。