猫の預かりボランティアガイド(35) 子猫の社会化 その3

アニマルシェルターに収容すべき猫を自宅で預かる、いわゆる「預かりボランティア」(Foster)について、ASPCA(米国動物虐待防止協会)の“Feline Foster Care Guide”(https://www.aspcapro.org/sites/default/files/aspcapro-feline-foster-care-guide.pdf)を参考に見ています。

 

養育子猫の社会化の手順<続き>

 

(4) さまざまな人とのふれあい

子猫が世話人に馴れたら、その他の人にも馴れさせます。子猫がさまざまな人に馴れることは、来るべき譲渡の際に子猫にとって有利に働きます。「ガイド」にはこう記載されています。

 

Once the kittens become social with you, have friends or family interact with them too, so that they learn to be social with everyone

子猫があなたに馴れたら、友達や家族にも交流してもらい、みんなと付き合うことを学ばせる。

 

(5) 生活音に慣れさせる

子猫を人に馴れさせると同時に、生活音にも慣れさせていきます。「ガイド」にはこう記載されています。

 

Work on getting them used to household noises and voices by slowly introducing them (i.e. talking in a normal voice, laughing, opening cabinets, etc.)

家庭の騒音や声に徐々に慣らしていく(つまり、普通の声で話す、笑う、キャビネットを開けるなど)。

 

(6) 人間の存在と楽しいことを関連付ける

世話人の存在と、食事や遊びなどの楽しいことを関連づけるよう、子猫を学習させます。「ガイド」にはこう記載されています。

 

Always pair food or playtime with your presence, whether or not you are touching/interacting with them.

食事や遊びの時間には、ふれあいの有無を問わず、常に自分の存在を意識づけること。

 

(7) 遊びの促進

遊びは子猫の社会化やエンリッチメントにおいて重要な要素です。「ガイド」にはその際の注意点として次をあげています。

 

Give them safe objects to explore, such as paper bags and cardboard boxes.

紙袋や段ボール箱など、安全に探索できるものを提供すること。

 

Do not allow them to play with your hands or feet. This will encourage play biting which will continue and be painful once they get older.

子猫を手足を使って遊ばせてはならない。これは甘噛みを助長し、成長してからも続き、痛い思いをすることになる。

 

Allow them to walk on different surfaces and explore when supervised.

監視下で、さまざまな表面を歩き、探索できるようにすること。