猫の預かりボランティアガイド(46) 健康上の懸念 その3

アニマルシェルターに収容すべき猫を自宅で預かる、いわゆる「預かりボランティア」(Foster)について、ASPCA(米国動物虐待防止協会)の“Feline Foster Care Guide”(https://www.aspcapro.org/sites/default/files/aspcapro-feline-foster-care-guide.pdf)を参考に見ています。

 

Medical Information & Concerns(医療情報と懸念)<続き>

 

Conjunctivitis(結膜炎)

結膜炎は目の病気の中では最も多く、その原因はほこりや光線などによる物理的刺激、外傷、微生物や寄生虫の感染、アレルギーなど多岐にわたります。しかし子猫の場合、上気道感染症(猫かぜ)の症状として現れることが非常に多いです。「ガイド」にはこう記載されています。

 

Many causes of conjunctivitis are contagious to other cats.

結膜炎の多くの原因は他の猫に伝染する。

 

結膜炎の症状について、「ガイド」にはこう記載されています。

 

Symptoms include clear or colored eye discharge, painful eyes, eyes that are crusted shut or swollen. 

症状には、透明または有色の目やに、目の痛み、痂皮で目が閉じる、または目の腫れなどがある。

 

結膜炎の症状を改善させるためには、抗生物質の点眼や眼軟膏が必要です。「ガイド」にはこう記載されています。

 

Ocular antibiotics and ointments are often required. 

多くの場合、眼用の抗生物質と軟膏が必要である。

 

角膜潰瘍

いわゆる「猫かぜ」を引き起こす「猫ヘルペスウイルス」は猫に結膜炎を引き起こしますが、症状がひどくなると角膜潰瘍を引き起こします。また慢性化すると慢性免疫性の実質的角膜炎に移行し、失明に至ることもあります。「ガイド」にはこう記載されています。

 

Some viral upper respiratory infections can cause corneal ulcers, which are emergencies. A painful eye should always be examined by a vet. 

一部のウイルス性上気道感染症は、緊急を要する状態である角膜潰瘍を引き起こす可能性がある。痛みを伴う目は常に獣医師によって検査されるべきである。