猫の預かりボランティアガイド(47) 健康上の懸念 その4

アニマルシェルターに収容すべき猫を自宅で預かる、いわゆる「預かりボランティア」(Foster)について、ASPCA(米国動物虐待防止協会)の“Feline Foster Care Guide”(https://www.aspcapro.org/sites/default/files/aspcapro-feline-foster-care-guide.pdf)を参考に見ています。

 

Medical Information & Concerns(医療情報と懸念)<続き>

 

Kitten Hypoglycemia(子猫の低血糖)

ブドウ糖は脳を正常に働かせるために非常に重要です。血液中の糖が足りなくなると、脳が正常に働かなくなり、神経症状を起こします。成猫であれば、腸から吸収されたブドウ糖は肝臓や筋肉でグリコーゲン(ブドウ糖のかたまり)に変換して蓄えられ、必要に応じて分解して血液中に放出されるため、低血糖は起こりません。しかし子猫のうちはブドウ糖をグリコーゲンに変換する仕組みが未発達のため、ブドウ糖を蓄えることができません。そのため、常に糖分を摂取する必要があり、ちょっとしたことでも低血糖が起こりやすいのです。「ガイド」にはこう記載されています。

 

Young kittens are very susceptible to hypoglycemia (low blood sugar) and regular feeding (either by bottle or by nursing if mom is present) is vital to prevent this from happening. Most instances of hypoglycemia in the kitten are the result of inadequate nutrition; either not enough or poor quality (indigestible) food.

若い子猫は低血糖症(低血糖)に非常になりやすく、これを防ぐには定期的な給餌(哺乳瓶または母親がいる場合は授乳による)が不可欠である。子猫の低血糖症のほとんどが量が足りない、または質の悪い(難消化性)の食事を与えられることによる栄養失調によるものである。

 

Excessive exercise may also cause the body to use up more sugar than is available. 

過度の運動はまた、体が利用可能なよりも多くの糖分を消費する原因となる可能性がある。

 

Some illnesses can also cause episodes of hypoglycemia. 

一部の病気はまた、低血糖症状を引き起こす可能性がある。

 

The typical symptoms of hypoglycemia include lack of energy and listlessness, weakness, wobbliness and even seizures.

低血糖症の典型的な症状には、エネルギー不足と倦怠感、脱力感、ふらつき、さらには発作が含まれる。

 

If untreated, kittens are susceptible to coma, severe neurological damage, and even death. If you suspect your kitten may be hypoglycemic, offer a small amount of food and call the medical hotline immediately for further instructions. 

未治療の場合、子猫は昏睡、重度の神経学的損傷、さらには死に至る可能性がある。子猫が低血糖症である可能性があると思われる場合は、少量の食事を提供し、すぐに医療ホットラインに電話して詳細な手順を確認すること。