猫の預かりボランティアガイド(49) 健康上の懸念 その6

アニマルシェルターに収容すべき猫を自宅で預かる、いわゆる「預かりボランティア」(Foster)について、ASPCA(米国動物虐待防止協会)の“Feline Foster Care Guide”(https://www.aspcapro.org/sites/default/files/aspcapro-feline-foster-care-guide.pdf)を参考に見ています。

 

Medical Information & Concerns(医療情報と懸念)<続き>

 

Internal Parasites(内部寄生虫)

内部寄生虫は、特に野外で生活していた猫で問題になります。「ガイド」にはこう記載されています。

 

Foster animals are routinely treated for some internal parasites, but there are many potential parasites that may be present, and sometimes repeated treatments are required. Common parasites include but are not limited to Coccidia, Giardia, roundworms, tapeworms and hookworms.

養育動物は、いくつかの内部寄生虫に対して定例的に治療されるが、存在する可能性のある多くの潜在的な寄生虫があり、繰り返し駆虫することが必要な場合がある。一般的な寄生虫には、コクシジウム、ジアルジア、回虫、条虫、鉤虫が含まれるが、これらに限定されない。

 

犬回虫は胎盤感染するため、いわゆる野犬の子のほとんどが回虫に感染しているといっても過言ではありませんが、猫回虫は胎盤感染せず経乳感染のみのため、子猫は子犬ほど回虫の感染率は高くありません。野外で自由生活していた猫は、寄生虫の中間宿主になりえる生物を捕食している可能性があるため、寄生虫のリスクはどうしても高くなります。そのため保護猫には駆虫が必須です。なお回虫や鉤虫は人間への感染リスクがあるので特に注意が必要です。

 

寄生虫症が疑われる場合、獣医師による診断と投薬治療が必要です。「ガイド」にはこう記載されています。

 

If parasites are observed or suspected, a fresh fecal sample may be requested for evaluation at a veterinary clinic. Signs of parasites may include a large, hard belly, diarrhea, worms in vomit or the stool, tapeworm segments (similar in appearance to grains of rice) around the anus, a scruffy looking coat, and/or an inability to gain weight. Some parasites are contagious to other animals through direct or indirect contact with infected feces. Most of these parasites require medication.

寄生虫が観察または疑われる場合は、動物病院での検査のために新鮮な糞便サンプルが必要になることがある。寄生虫の兆候には、大きくて硬い腹、下痢、嘔吐物または便中の虫、肛門の周りの条虫の断片(米の粒に似ている)、汚い被毛、および/または体重増加できないことが含まれる場合がある。一部の寄生虫は、感染した糞便との直接または間接的な接触を通じて他の動物に伝染する。これらの寄生虫のほとんどに対しては投薬が必要である。