猫の預かりボランティアガイド(51) 健康上の懸念 その8

アニマルシェルターに収容すべき猫を自宅で預かる、いわゆる「預かりボランティア」(Foster)について、ASPCA(米国動物虐待防止協会)の“Feline Foster Care Guide”(https://www.aspcapro.org/sites/default/files/aspcapro-feline-foster-care-guide.pdf)を参考に見ています。

 

Medical Information & Concerns(医療情報と懸念)<続き>

 

Panleukopenia(汎白血球減少症)

汎白血球減少症は、血液検査で白血球の減少がみられることからこの名前が付けられていますが、「猫パルボウイルス感染症」と呼ばれることもあります。致死率が高いですが、3種混合ワクチンで予防できます。しかしワクチン接種年齢未満の子猫や、ワクチン未接種の野良猫に感染する可能性があり、アニマルシェルターにおいて最も重要な感染症のひとつです。「ガイド」にはこう記載されています。

 

Panleukopenia is a viral infection that most commonly affects kittens, young cats and unvaccinated felines. Panleukopenia has a very high mortality rate, even with treatment. 

汎白血球減少症は、子猫、若い猫、ワクチン未接種の猫に最もよく見られるウイルス感染症である。汎白血球減少症は、治療を行っても死亡率が非常に高い。

 

このウイルスに感染すると、さまざまな全身症状を示し、ときには死に至ります。「ガイド」にはこう記載されています。

 

Symptoms include fever, diarrhea, lethargy, vomiting, loss of appetite and even sudden death.

症状には、発熱、下痢、嗜眠、嘔吐、食欲不振、さらには突然死が含まれる。

 

猫パルボウイルスのやっかいな点は、ウイルスが環境中に長期間残存すること、そして感染力が非常に強いことです。「ガイド」にはこう記載されています。

 

Unfortunately, this illness can be frustrating to deal with because the virus can survive in the environment for years. This means that other unvaccinated cats/kittens can become infected with panleukopenia simply by coming into contact with places where an infected cat has been.  

残念ながら、ウイルスは環境内で何年も生き残ることができるため、この病気への対処はもどかしい気持ちになる。これは、他のワクチン未接種の猫や子猫が、感染した猫がいた場所に接触するだけで、汎白血球減少症に感染する可能性があることを意味する。

 

The virus is highly contagious to other cats, especially through contact with infected feces or vomit but also contact with contaminated objects such as bowls, hands, clothes, etc. 

このウイルスは、特に感染した糞便や嘔吐物との接触だけでなく、ボウル、手、衣服などの汚染された物体との接触を通じて、他の猫に容易に感染する。