アニマルシェルターはさまざまな出自の動物が集まる場です。そのため、感染症蔓延のリスクが非常に高い場所であるといえます。感染症簿蔓延防止のためには、施設の衛生管理が重要です。シェルターの衛生管理について、ASPCA(米国動物虐待防止協会)のホームページ“Sanitation for Disease Prevention in Animal Shelters”(https://www.aspcapro.org/resource/sanitation-disease-prevention-animal-shelters)を参考に見ています。
Spot vs. Deep Cleaning(スポットクリーニングとディープクリーニング)
シェルターにおける動物飼養場所の清掃方法には「スポットクリーニング」と「ディープクリーニング」があります。前者は餌皿やトイレなどを交換し、汚れたところだけをふき取る「簡易清掃」、後者は全体を洗浄ののち消毒する「徹底清掃」です。
スポットクリーニング
同じ動物を同じ囲いの中で引き続き使用する場合は、スポットクリーニングが推奨されます。スポットクリーニングには次のようなメリットがあります。
・conserve supplies(消耗品の節約)
・reduce animal handling and stress(動物の取扱いとストレスの軽減)
・enhance operational efficiency(作業効率の向上)
ディープクリーニング
ディープクリーニング(徹底清掃)は、次のような場合に実施します。
・a different animal is to occupy a vacated kennel(空いた囲いに次の動物を入れる場合)
・every 2 weeks for longer stay residents(長期滞在の動物の場合は2週間ごと)
清掃中に動物をどうするか
特に猫のスポットクリーニングの場合、猫をケージ等に入れたまま実施することもありますが、多くの場合清掃中には動物をいったん外に出す必要があります。動物を2区画の囲い(double compartment enclosures)に収容している場合であれば、清掃の際には動物を他方の区画に移動させて作業をすることができます。いずれの場合においても、洗浄剤や消毒剤が動物に触れないよう注意することが重要です。
犬の場合
犬の場合、清掃の間だけ外にリード等で係留することは許容されますが(推奨はされません)、清掃時間を散歩の時間に合わせたり、清掃時間に運動場や遊び場で遊ばせておくといった工夫が推奨されます。
猫の場合
清掃中に猫を一時的にキャリーケースに入れる場合、消毒済みのものか、もしくは個体ごとに割り当てられた特定のものを用いる必要があります。