猫の集合飼育部屋の衛生対策(6) 洗浄消毒 その1

アニマルシェルターにおける猫の集合飼育部屋の衛生対策について、ASPCA(米国動物虐待防止協会)のホームページ“Sanitation for Group Cat Rooms”(https://www.aspcapro.org/resource/sanitation-group-cat-rooms)を参考に見ています。

 

Group Cat Room Cleaning and Disinfection Protocol(猫の集合飼育部屋の清掃と消毒の手順)

猫の集合飼育部屋の日々の清掃は前述のとおり「スポットクリーニング」と呼ばれる簡易清掃で行います。しかしスポットクリーニングはあくまでも簡易清掃であり、定期的に洗浄消毒を行う必要があります。本格的な洗浄消毒はスポットクリーニングと対比して「ディープクリーニング」(徹底清掃)と呼ばれたりもしますが、ここでは“Cleaning and Disinfection”(洗浄消毒)と表現されています。

 

洗浄消毒のタイミング

飼育場所の洗浄消毒は頻繁に行う必要はありませんが、次のような場合に行う必要があります。

 

オールアウト時

All occupants have left the enclosure(すべての居住者が囲いから出た場合)

 

【のらぬこの補足】

集合飼育されていた猫が譲渡等により囲いから1頭もいなくなった際には、次の猫を入れる前に洗浄消毒を行います。

 

汚れがひどい場合

Enclosure is grossly contaminated 

囲いがひどく汚染されている場合

 

【のらぬこの補足】

囲いの汚染が著しい場合にも、洗浄消毒を行います。

 

感染症の発生時

Occupants have been diagnosed or exposed to a known infectious disease 

居住者が既知の感染症と診断された、もしくは発症した場合

 

【のらぬこの補足】

囲いの中で感染症が発生した場合、感染した猫を隔離するとともに、囲いの洗浄消毒を行います。場合によっては、洗浄消毒が毎日必要です。

 

定期的に

A minimum of every 2 weeks when animals are apparently free from infectious disease.  

動物が明らかに感染症にかかっていない場合、少なくとも2週間に1回。

 

【のらぬこの補足】

感染症が発生していなくて、囲いがひどく汚れていない場合でも、2週間に1回は洗浄消毒を行います。