猫の集合飼育部屋の衛生対策(10) 洗浄消毒 その5

アニマルシェルターにおける猫の集合飼育部屋の衛生対策について、ASPCA(米国動物虐待防止協会)のホームページ“Sanitation for Group Cat Rooms”(https://www.aspcapro.org/resource/sanitation-group-cat-rooms)を参考に見ています。

 

Group Cat Room Cleaning and Disinfection Protocol(猫の集合飼育部屋の清掃と消毒の手順)<続き>

 

9 表面の洗浄

Allow appropriate contact time (see product label) for the disinfectant then rinse all surfaces with clean water. 

消毒剤の適切な接触時間(製品ラベルを参照)をおいてから、すべての表面をきれいな水で洗い流してください。

 

【のらぬこの補足】

消毒剤にはメーカー指定の接触時間(塗布してから洗浄する間の時間)があります。一般的に塩素系漂白剤などの伝統的な消毒剤は比較的長め、加速化過酸化水素などの新しい消毒剤は比較的短めです。床や壁に消毒剤を吹き付けた後に、一定時間をおいてから消毒剤を流水で完全に洗い流します。特に塩素系漂白剤は刺激性が強いため注意が必要です。

 

10 部屋の復旧

10.Reset room with clean supplies. Before returning animals to the room, weigh each cat and record their weight on the physical exam sheet. 

清潔な物品を用意して部屋をリセットします。動物を部屋に戻す前に、各猫の体重を測り、身体検査シートに体重を記録します。

 

【のらぬこの補足】

取り出して洗浄消毒した物品や、廃棄した物品の代わりの清潔な物品を部屋に入れ、部屋の中を元通りの状態にします。スポットクリーニングの際には清掃開始前に猫の健康状態を目視で確認しますが、洗浄消毒の際には猫をいったん外に出しますので、その取扱いのついでに体重測定や簡単な身体検査を行うことができます。

 

11 猫を戻す

Return cats to room and release when floor is completely dry. 

床が完全に乾いたら猫を部屋に戻し、放します。

 

【のらぬこの補足】

猫を部屋に戻す際には、室内が完全に乾燥していることを確認します。室内が湿っていると猫が不快なばかりではなく、病原菌の温床になります。(連載終わり)