アニマルシェルターにおいて高性能の消毒剤をできるだけ節約して使用する方法について、ASPCA(米国動物虐待防止協会)のホームページ“Do’s and Don’ts for Extending and Replacing Disinfectants”(https://www.aspcapro.org/resource/dos-and-donts-extending-and-replacing-disinfectants)を参考に見ています。
DO: Conserve and extend your disinfectant supply(すべきこと: 消毒剤の備蓄を節約し、増やす)<続き>
4. Substitute your regular disinfectant (消毒剤の代用)
If your parvocidal disinfectant is unavailable, although not ideal, calcium hypochlorite (e.g., Wysiwash®) or a 1:32 bleach solution can serve as an alternative . However, neither of these options contain detergents and their use must be preceded by cleaning with detergent.
パルボウイルスを死滅させる能力のある消毒剤が手に入らない場合は、理想的ではありませんが、次亜塩素酸カルシウム(例:Wysiwash®)または1:32の漂白剤溶液が代替品として使用できます。ただし、これらのオプションのどちらにも洗剤は含まれていないため、使用する前に洗剤で洗浄する必要があります。
【のらぬこの補足】
シェルターの消毒剤としては加速化過酸化水素などが推奨されますが、入手できない場合や入荷までの「つなぎ」として、塩素系漂白剤などを使用することができます。漂白剤等には洗浄効果がないため、消毒の前に洗剤による洗浄が必要です。
次亜塩素酸カルシウム
次亜塩素酸カルシウムは「さらし粉」「カルキ」などとも呼ばれる消毒剤です。次亜塩素酸カルシウムは水酸化カルシウム(消石灰)に塩素を反応させたものです。ちなみに消石灰にも殺菌効果があり、特に豚熱や高病原性鳥インフルエンザといった家畜伝染病の防疫に用いられています。
漂白剤
次亜塩素酸ナトリウムが主成分の塩素系漂白剤も、消毒剤として用いることができます。塩素系漂白剤は比較的安価で入手しやすいため、シェルターの消毒剤として伝統的に用いられてきました。次亜塩素酸ナトリウムはパルボウイルスなどエンベロープを持たないウイルスや、真菌(カビ)などにも有効ですが、使用に際してはいくつかの注意点があります。
・希釈した漂白剤は日持ちしないため、使用のたびに希釈すること。
・紫外線に弱いため、直射日光を避けて保管すること。
・腐食性があるため、金属に使用する際には注意すること。
・刺激性が強いため、使用後は流水で完全にすすぐこと。 (続く)