「譲渡困難」とされる犬や猫の譲渡促進のための宣伝活動(Promotion)について、ASPCA(米国動物虐待防止協会)のハンドブック“Adoption Promotions for Harder-to-Place Dogs & Cats”(https://www.aspcapro.org/sites/default/files/2022-03/aspca-adoption-marketing-handbook_0_1.pdf )を参考に見ています。
Influencers & Partnerships(インフルエンサーおよび提携)
Local Business Partnerships(地元企業との提携)
地元企業に、譲渡動物の宣伝協力を依頼します。具体的には「名刺」やチラシを地元企業に配布し、顧客や社員に配ってもらいます。動物の譲渡活動に協力することは企業イメージ向上につながりますし、地元の企業の社長さんの中には動物好きの人が結構いるものです。
Local Reddit Posts(Redditの地元スレッドへの投稿)
Redditとは米国の掲示板型ソーシャルニュースサイトで、誰でも“subreddit”(いわゆるスレッド(板))を立ち上げたり、投稿できる点において、ソーシャルメディアというよりもネット掲示板の性格が強いといえます。地元のsubredditに動物の写真や譲渡の呼びかけを投稿します。
NextDoor Army(NextDoor「軍団」)
Nextdoorとはその地域の住民だけが参加できる、地元密着型のSNSです。米国では初めての場所に引っ越した際には、まず最初にNextdoorに登録し友達を作るとよいといわれています。アニマルシェルターのスタッフやボランティアを総動員して、それぞれが居住する各地域のNextdoorに譲渡情報を投稿します。人海戦術でそれぞれの地元にて情報を拡散させる様を“army”と表現したものと思われます。
Specialty Website/Socials(専門ウェブサイト/ソーシャルメディア)
特定の犬種や「超大型犬」といった特定のニーズに特化した団体のWebページやSNSに譲渡情報を投稿することも効果的です。
Influencer Outreach(インフルエンサーへの働きかけ)
インフルエンサーとは世間や人の思考・行動に大きな影響を与える人物のことをいいます。インフルエンサーといえば芸能人やプロスポーツ選手などの「メガインフルエンサー」が思い浮かびますが、公的な発信手段を持つ一般人、いわゆる「地元の有名人」もインフルエンサーになりえます。こういったインフルエンサーは「マイクロインフルエンサー」や「ナノインフルエンサー」と呼ばれ、特定の地域における影響力が強く、また地元住民との関係も密接という特徴があります。そういった人に働きかけ、譲渡に関するコンテンツを提供します。具体的にはlocal politicians(地元の政治家)、school leaders(校長)、law enforcement(警察)、others who have a public platform(公的に発信する場を持つその他の人)があげられています。