「譲渡困難」とされる犬や猫の譲渡促進のための宣伝活動(Promotion)について、ASPCA(米国動物虐待防止協会)のハンドブック“Adoption Promotions for Harder-to-Place Dogs & Cats”(https://www.aspcapro.org/sites/default/files/2022-03/aspca-adoption-marketing-handbook_0_1.pdf )を参考に見ています。
SENIOR PETS, PETS WITH SPECIAL DIETS, & PETS WITH LONG-TERM MEDS(高齢ペット、特別な食事が必要なペット、長期投薬が必要なペット)
ここからはASPCAが開発した、どのような宣伝活動をどういう順序で展開していくかというメソッドについて見ていきましょう。最初は「特別なケアが必要な動物」です。
基本的な考え方
Data shows that these pets have the longest length of stay, so many resources are invested early with a balance between those that utilize “personal connections” with your organization and those with larger, broader pushes to hit as many angles as possible.
このようなペットの滞在期間が最も長いというデータがあるため、組織との「個人的なつながり」を活用するものと、できるだけ多くの角度から打撃を与えるために、より大規模で広範なプッシュを行うものとのバランスをとりながら、多くのリソースを早期に投入する。
【のらぬこの補足】
特別なケアが必要な動物は譲渡の困難度が高いですし、アニマルシェルターに長期滞在させるにしても人役や設備などのリソースを圧迫します。そのため、チラシ作成やポップアップの制作など手間がかかる手法は後回しにして、とにかく情報の発信を優先させます。
全体の流れ
「ハンドブック」で推奨されている宣伝活動の流れは下のとおりですが、特にタイムラインが指定されているものではありません。例えばある段階を1週間続けるというのもアリですし、体制に余裕があれば矢継ぎ早に次の段階を繰り出すのもアリです。これはあくまでも宣伝活動の優先順位を示したものと考えるほうがよいかもしれません。
Phase 1 (第1段階):動物の情報をWebページに掲載
Phase 2 (第2段階):ブログやSNSへの投稿
Phase 3 (第3段階):画像の共有、ネット掲示板等の活用
Phase 4 (第4段階):ライブ配信、メディアやインフルエンサーへの働きかけ
Phase 5 (第5段階):名前の変更
Phase 6 (第6段階):ターゲットを絞った情報発信
Phase 7 (第7段階):紙媒体の作成
Phase 8 (第8段階):地元企業への協力依頼
Phase 9 (第9段階):ポップアップ