動物愛護法改正私案(作成中)


1.  収容動物の「殺処分」の禁止と安楽殺の法制化

・収容動物の致死処分を禁止し、真にやむを得ない理由があると認められる場合には、獣医療行為としての安楽殺を認める。

・収容動物の安楽殺については、動物に苦痛を与えない方法によって、獣医師が実施しなければならない。

・獣医学的または公衆衛生上の理由、もしくは他法令の規定によりやむを得ず収容動物を安楽殺する際は、2名以上の獣医師による診断を要し、診療簿は獣医師法施行規則で定める期間保存しなければならない。なお、動物の行動上の理由による安楽殺を実施する際には、動物行動学の専門家の助言を受けることが望ましい。

・動物が収容中に死亡した場合は、その原因の究明に努めるとともに、検索書を作成のうえ、獣医師法施行規則で定める期間保存しなければならない。

 

2. 自治体間移送システムの創設

 ・収容動物の譲渡を円滑に実施するため、環境省が自治体間で動物を移送するためのネットワークを構築する。

・例えば動物を地方から大都市圏に移送することにより、譲渡の可能性が増大することが期待される。

・移送は動物のストレス要因となるため、極力近隣の自治体に移送できるよう調整する必要がある。また移送により感染症が蔓延するおそれがあるため、移送前の健康診断やワクチン接種を義務付ける。

 

3. 預かりボランティアの法制化

・預かりボランティアを第2種動物取扱業の規制対象とし、一定の社会的地位を付与する。

・第二種動物取扱業に対する、地方公共団体によるサポートを義務づける。

・法制化により、保守的な自治体においても預かりボランティアの活用が促進され、また、行政による金銭的サポートの口実にもなる。

・預かりボランティアと称して、多頭飼育崩壊を招いている者もおり、対策が急務である。

 

4. 犬猫の引き取り制度の見直し

・都道府県等は、所有者から犬猫の引き取りを求められたときは、真にやむを得ない理由として環境省令で定める場合にのみ引き取ることができる。この規定は都道府県等が、所有者が判明しない犬猫の引き取りをその拾得者等から求められた場合に準用する。(鑑札や注射済票が付いていない犬については、狂犬病予防法の規定に基づき抑留する)

・所有者が判明しない犬猫の保管期間については、遺失物法の規定を準用する。

・犬猫の引き取りに関し、都道府県知事が政令市以外の市町村長に協力を依頼することができるという規定を廃止する。

 

5. 動物取扱業(特に販売業)の規制強化

・第一種動物取扱業を、現在の登録制ではなく許可制にする

・動物取扱責任者を免許制にする

 

6. 動物虐待の取り締まり強化

・都道府県等に対し、動物虐待の疑いがある場合の通報窓口の設置を義務づける。

・動物愛護管理担当職員を特別司法警察職員とし、捜査権および逮捕権を与える。

・悪質な所有者から、動物を押収(所有権の剥奪)することを可能にする。